「まだ元気だし、相続や終活は先の話」
そう思っていた僕が、母の突然の入院を経験したとき、
いちばん最初に感じたのは「何も知らないこと」への焦りでした。
どんな保険に入っているのか、通帳はどこか、実家の名義は誰のものか——
いざというときに確認できないことが、山ほどありました。
この記事では、「まだ先の話」だからこそ、
“元気なうちに”話しておいたほうがいい「相続・実家・終活」のことについて
僕自身の体験を元にお話しします。
母の入院で直面した「何もわからない」現実
2025年のはじめ、母がくも膜下出血で倒れました。
すぐに緊急搬送、手術、ICU。
そのとき僕の頭をよぎったのは、「何から手をつければいいんだろう…」という不安。
保険証券は?医療保険の連絡先は?入院費用はどこから?
実家のどこに何があるのか、書類も鍵も、母しか把握していなかった。
「相続」と聞くと大げさに聞こえるけれど
「相続」と聞くと、まだ元気なうちに話すには抵抗がある言葉かもしれません。
でも、実際はもっと身近なことで、たとえばこんなこと:
- 銀行口座はどこにいくつある?
- 保険証券や契約書の保管場所は?
- 実家の名義と相続予定者は?
- 兄弟間での役割分担や考えの違い
これらを“事前に話しておく”ことで、もしものときに慌てずにすみます。
兄弟で話し合っておくべきこと
僕には姉が2人いますが、親の介護や相続の話をする機会はそれまでほとんどありませんでした。
でも、母の入院を機に「このままだと、誰が何をやるのか曖昧なまま終わってしまう」と気づき、 電話やLINEで少しずつ話すようになりました。
話し合っておくといいことは、こんな感じ:
- 財産の把握(通帳、不動産、保険など)
- 実家を将来どうするか(売却?維持?誰が住む?)
- 介護が必要になった場合の分担
「相続争い」まではいかなくても、何も決めていない状態のほうが、あとから揉めやすいです。
エンディングノートは、“家族へのメッセージ”でもある
母の退院後、「エンディングノートって書いてみる?」と提案してみました。
最初は少し嫌がられたけど、「書いておけば家族が困らないし、自分も安心できる」と伝えると、 少しずつペンを動かすようになりました。
エンディングノートには:
- 連絡してほしい親戚や友人のリスト
- 葬儀の希望(簡素でいい、家族だけで、など)
- お墓のことや希望する医療行為
書く本人にとっても「これを伝えたかった」という安心につながるし、
読む家族にとっても「ありがとう」という気持ちを持てるきっかけになります。
実家の管理、誰がどうするか問題
これは、わりとリアルな話です。
親がいなくなった後、実家を「誰が住むのか/維持するのか/売却するのか」は、兄弟間で温度差が出やすいポイント。
たとえば:
- 遠方に住む兄弟は「もう住まないから売っていい」と言う
- 近くにいる兄弟は「思い出の家だから残したい」と思っている
売却や維持には費用も発生するし、名義変更も必要。
「そのときに話そう」では遅いと痛感しました。
おわりに:相続や終活は、「誰かが言い出すこと」で動き出す
「まだ早いかな」って思うかもしれません。
でも、誰かが話題に出さないと、ずっと動かない。
それができるのは、「親が元気なうち」だけです。
この記事が、あなたの家族の“最初の会話”のきっかけになれば嬉しいです。
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