母が突然倒れたとき、いちばん焦ったのは「お金をどうするか」でした。
入院費の支払いや、日用品の購入、タクシー代……。
本人が意識を取り戻さなかったら、口座からお金を引き出すことができない。それを初めて知ったとき、ゾッとしたのを覚えています。
親名義の通帳は、家族でも勝手に使えない
「家族なんだから、必要なお金は引き出せるでしょ?」
そう思っていたのは、完全に間違いでした。
たとえ子どもであっても、親の通帳・キャッシュカードを勝手に使うことはNGです。
法律上は本人の意思に基づいた取引しか認められないため、意識がない状態ではたとえ親族でも手出しができません。
銀行口座が“ロック状態”になるケースもある
もし銀行側が「本人が入院して意思確認できない」と知った場合、凍結(出金制限)されるケースもあります。
また、死亡した場合は正式に相続手続きが終わるまで、一切引き出せない状態になることも。
それまでに必要なお金は、立て替えでなんとかするしかありません。
ネットバンキング、パスワードがわからない問題
最近では、通帳を持たずネットバンキングで管理している親も増えています。
でも、そこにログインするには:
- ログインID
- パスワード
- ワンタイムパスワードアプリやSMS認証
これらを把握していなければ、アクセスすらできません。
「もしもの時」のために聞いておくべきこと
今はまだ元気でも、いざというときのために、以下の情報だけでも共有しておくことをおすすめします。
- 使っている銀行名・口座の種類
- ネットバンキングの有無
- 通帳・キャッシュカードの保管場所
- 本人以外が代理で使える範囲(代理人登録など)
すべて聞き出すのは難しくても、せめて保管場所と使っている銀行だけでもわかっていれば、あとで助かる場面が出てきます。
別記事で上げようと思っていますが、口座情報・保険情報など親の情報が一括でわかるように本人にエンディングノートを書いてもらうのも一つの手です。
まとめ|「通帳とパスワード」は、元気なうちにこそ聞ける
親が倒れてからでは、もう遅いことがたくさんあります。
お金のことって聞きにくいし、話題にするのも少し抵抗がありますよね。
でも、本当に困るのは「倒れてから、何もわからない」こと。
「教えてくれてありがとう」とは言われないかもしれないけど、
あとで絶対に「聞いておいてよかった」と思える話だと、僕は実感しています。